連載小説 言霊-コトダマ- 第一話“天変地異” 5p

千里Side

何が起きたのか、よく理解できなかった。
ただ俺が虚ろ(うつろ)に、清音に何か言ったことだけは覚えている。
気が付くと、清音は倒れていた。
「!?…清音っ、清音っ!?大丈夫か?おいっ、清音っっ!!」
うっすらと清音の目が開く。
…次の瞬間、清音はガバッと起き上った。
「清音っ!?」
はた、と目が合う。
「…っ、かっ…、香…賀…君っ!?」
…は?
“香賀君”??
あれ、もしかして…
「き…清音?」
…瞬間、清音は驚いて叫んだ。
「きゃぁーーーっ!?」
…そりゃもう、すごい勢いで。
顔から火を噴きそうなほど真っ赤になりながら。
…あれれー!?
 
清音Side

―…清音…清音…
「清音っっ!!」
ハッ…
あれっ、ここどこ!?
あたし、確か夜…寝てたハズ…―あれ?
香賀君!?
何で!?
何か忍者っぽいなー…って、そんな事はどうでも…いや、良くないけど!!
何であたしが香賀君と一緒に居るの!?
それにこの怪我何!!
…ん?
「清音っ!?」
き…清音って…言った…。
「…っ、かっ…、香…賀…君っ!?」
何で!?
今まで面識全然無かったし、名前でイキナリ…エッ!?
何でぇーーー!?
“香賀千里”君で合ってる、この人ー!?
「き…清音?」
何ぁんーでぇーー!?
…やっぱ、眼鏡無しでも香賀君なのー!?
「きゃぁーーーっ!?」
あたしはその場から逃走していた。
混乱して、やみくもに走る…―
 
-to be continued…-